[メーカー勤務必見] サンプル提供は特許侵害になる?

技術者の必須スキル

メーカーで研究や開発を行っている場合、お客さんにサンプル(材料とか)を提供しよう!という場面は多くあるのではないでしょうか?

しかしいざサンプルを作って渡そうと思ったけど、他社の特許が既に存在することを知ってしまった・・・

サンプル提供は販売目的ではないけど、大丈夫かな?という場面もあると思います。

今回は化学メーカーで研究開発をしている私がわかり易く解説していきます!

ずばりサンプル提供は特許侵害になる?

結論からいいます。

特許侵害になる可能性があります。

そのため、必ず社内の知財部や外部の弁理士に相談しましょう

しかし、

商売目的ではないなら、特許侵害にならない!

という言葉を聞いたことはないでしょうか?

ここが難しい点ですので、丁寧に解説していきます。

研究用途では特許侵害にならない?

まずは大元の特許法を見ていきましょう!

特許権者は、特許法によって、「業として特許発明の実施をする」権利を独占できる旨が定められています(特許法68条)

ちょっと難しいですね・・・

簡単にいうと、第三者が特許を持っている人の許可を得ずに、事業として利用することはできない、という意味です。

ちなみにこの事業としては営利目的は関係ありません。

これだけみたら、無償でのサンプル提供もアウトな気がしますね。

しかしここで重要なのが、例外があるということです。

その例外が、

“試験又は研究のための実施”

です。

これもしっかり特許法を見て確認してみましょう。

特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の実施には、及ばない(特許法69条1項)

つまり、

「試験又は研究のためにする特許発明の実施」

に関しては、特許権侵害とはならない、ということです。

ではこの試験又は研究のためにする特許発明の実施

とは何でしょうか?

試験又は研究のための実施とは?

これについて社内でも様々な調査を行いましたが、結論としては、

明確な範囲はない、ということでした。

ただそんな中でも以下のような場合は問題ないとされています。

  • 特許性の調査
    その特許が本当に進歩性や新規性があるかを確認するための試験など
  • 再現できるか確認・調査
    特許は第三者でも再現できる必要があります。そのため本当に再現できるかを確認するなどの目的の試験
  • その特許の改良や発展を目的とした試験
    その特許よりも良いものを作るための試験など

つまり特許の定義にもあるように、技術の進歩を目的にしていたら良いということです。

以上のことを踏まえたら、今回のサンプルの提供についても、目的次第で判断が分かれてきます。

例えば、今後それを採用してもらうためのサンプル提供であればNG

一方、共同開発などで、それよりも良いものを作るなどの目的であったら、侵害には当たる可能性は低くなる。

などの判断が分かれてきます。

いずれにしても、まずは社内の知財担当や弁理士に確認を取ることが1番安全だと思うので、まずはそこから実施しましょう!

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