誰でもわかるMFR(メルトフローレート)【プラスチックの基礎】

プラスチック・樹脂

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プラスチックを成形するために重要な指標となるのがMFRです。 MFR(メルトフローレート)を一言で表すと、「溶融した樹脂の流れやすさを表す指標」です。

MFRの原理は、実はかなり簡単です。 ここでは、MFRについて誰でもわかるように分かり易くご説明します。

ページの最後には一般的なプラスチックのMFR値を示していますので参考にどうぞ。

BizChem編集部

この記事では以下について解説します

・MFR(メルトフローレート)の概要

・MFR(メルトフローレート)の測定

・代表的な樹脂のMFR

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RYOTA

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MFR(メルトフローレート)の概要

MFRは樹脂の流れやすさを表した指標です

前述した通り、MFRは溶融した樹脂の流れやすさを表す指標です。

単位は【g/10min】で表されます。

単位の通り、溶融した樹脂が10分間に何g流れるかを表します。つまり、樹脂が溶融した際「MFRが高いものは流れやすく、MFRが低いものは流れにくい」と言うことになります。

一般的な樹脂の成形(射出成形や押出成形)では、MFRが高いほど成形性は容易になります。

MFRは熱可塑性樹脂に適用される値

熱により溶融した樹脂の流動性を示すものであるため、熱可塑性樹脂に適用されるものになります。熱硬化性樹脂は熱により溶融することがないため測定できません。

MFRは分子量の指標になります

同じ種類の樹脂で測定した際、一般的には分子量が高い樹脂の方がMFRが低くなります(流れが悪くなります)。これは、分子量の高い樹脂の方が鎖が長く、複雑に絡み合っていることが流動性を阻害するためです。

同様に、複雑な構造の樹脂の方が流動性が下げるため、一般的には汎用プラスチック>エンジニアプラスチック>スパーエンジニアプラスチックの順でMFRは低くなります(流動性が悪くなる)。

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MFR(メルトフローレート)の測定

測定方法は、円筒状のシリンダー内に入れた樹脂を一定の温度で加熱・加圧し、容器の底のオリフィスから押し出した樹脂量を測定します。

測定方法には2種類あります。

簡単に言ってしまうと、「手動で溶融した樹脂を切り取り重さを測るのがA法」、「機械により自動で測定するのがB法」です。

A法

オリフィスから吐出した樹脂を一定時間で切り取り、押し出された樹脂量の重さを計ります。計った質量から以下の式でMFRを求めることができます。

A方によりMFRを求める式

MFR(g/10min^3)=600×m/t

m:切り取った樹脂の質量(g)
T:樹脂の切り取った時間(s)

例えば、60秒で吐出した樹脂を切り取って、計った質量が5gだった時、MFRは50g/10min^3になると言うことです。

B法

ピストンが所定の距離を移動する時間を、エンコーダー(移動する機器や装置の移動量や角度を検出するセンサー)を用いて測定し、MFRを測定します。

基本的にはA法と得られる結果は一緒ですが、こちらは機械が自動で算出してくれます(機能がついていれば)。

B方によるMFRの算出

MFR(g/10min^3)=427×L×ρ/t

L:所定のピストンの移動距離(cm)
t:測定時間の平均値(s)
427:ピストンとシリンダーの平均弾面積0.711(cm^2)×600(基準時間秒数)
Ρ:試験温度での溶融密度(g/cm^3) ρ=m/0.711×L

下図のピストン標線をエンコーダーが読み取ることで、移動距離を測定しています。

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代表的な樹脂のMFR

最後に、代表的な樹脂の一般的なMFRを載せました。MFRは樹脂の添加剤やグレードなどにより大きく変化するため、あくまでも参考としてしてください。

まとめ

MFRは溶融した樹脂の流れやすさを表す指標です。MFRの値により樹脂の成形温度や条件などが大きく左右されます。一般的な樹脂であればメーカーがMFR値を公表されています。MFR値を参考にすることで、樹脂の設計がスムーズになります。

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