【超初心者向け】特許の読み方(特許の構成から解説)

技術者の必須スキル

研究者はあらゆる場面で特許を読む機会があります。他社情報を入手するための調査、研究のヒントを得るための調査 等々・・・。しかし、特許の書き方は非常に独特です。読むことに慣れていない人にはとても難しい内容に思えます。

「特許に書いてあることがよくわからない」

「特許を読むのにもの凄く時間をかけてしまっている」

ここでは、かなり初心者向けに特許の読み方についてまとめましたので、是非参考にしてください。

BizChem編集部

この記事では以下について解説します

・特許の構成を理解する

・特許の読み方

特許の構成を理解する

特許を読む際、その分野においてある程度の知識は必要です。しかし、特許の構成・読み方が分からずに躓く人も多いです。まずは、特許がどのような構成になっているかを理解しましょう。

特許調査をする場合、J-Platpatを使用することをお勧めします。

J-Platpatについて

J-Platpatは特許庁が提供しているサイトです。登録不要で誰でも無料に特許調査を行うことができます。特許実務者が最もよく使用するサイトなので、この記事を参考に使用できるようになりましょう。

下記の記事には、J-Platpatを使用した特許検索についての基礎的な記事をまとめていますので参考にしてください。

特許の全体構成

特許における全体構成の概略を以下の図に示しました。

書誌

いつ出願、登録されたから、出願人は誰かと言った、その「特許の登録に必要な情報」が記載されています。

要約

発明の課題、解決手段の要約がまとめれらています。特許全体の概要を簡潔にまとめています。

特許調査などで多くの公報をチェックする場合は、この要約をざっと読んで自分の分野に該当する特許であるかどうかを判断することができます。

請求の範囲

権利の範囲が記されています。上の図に書いたように、ここでは詳細な説明における「課題を解決するための手法」を抽象的に書いたイメージです。

なぜ抽象的になってしまうのかというと、できるだけ大きな範囲で権利を得たいからです。請求項は1、2、3・・・と続きますが、請求項1に一番大きな範囲を書き、続く2、3で範囲を限定していって狭めていくような書き方がされています。

請求の範囲のイメージ
(請求の範囲の例)リサイクル樹脂を使用したカップ容器

【請求項1】リサイクル樹脂と石油由来樹脂を混合した材料からできるカップ容器
 →上の条件を満たしているカップ容器なら、どのような材料でも良い

【請求項2】リサイクル材と石油由来樹脂を重量比50〜75:50〜25で混合した材料からできるカップ容器
 →請求項1から重量比の条件が追加

【請求項3】請求項2の条件を満たし、リサイクル材にはポリエチレンを使用したカップ容器
 →請求項2の条件から更にリサイクル材の種類が追加

詳細な説明

出願した特許に関わる技術・発明について詳細に記述されています。詳細な説明に記載されている主な内容は以下の表にまとめました。

図面

出願された特許について、その技術・発明の説明に必要な図が記載されています。詳細な説明に記載されている実施例の条件・結果などがまとめられているケースも多くあり、貴重な情報を得ることが可能です。

図面の項目について

特許の内容について説明する図が載っているだけで、図の詳しい説明については【詳細な説明】の項目に記載されています。

特許の読み方

ここでは、実際に特許を読む際におすすめの順番を説明します。

通常、特許公報を上から順に読んだ場合、上の図で説明した通り、書誌→要約→請求の範囲…と続きます。しかし、「請求の範囲」の内容は抽象的な内容の場合が多く、その分野の専門でなければ読み解くのが難しい場合があります。

そのため、その分野にまだ詳しくなく、「まずは特許の内容を理解したい」と言う場合は請求の範囲を後回しにして読むことをおすすめします。

特許調査の種類について

特許調査にはいくつか種類があります。請求の範囲は、侵害予防調査、無効調査の場合は非常に大切な項目です。他社の特許の侵害を確認する場合などには請求の範囲をしっかりと読むようにしましょう。以下のリンクに特許調査の種類についてまとめた記事を記載しています。

特許の内容を把握する

以下に特許の内容を理解するのにおすすめの読む順番をまとめました。あくまでも「特許ビギナー」に向けた内容であるため、専門知識が既に高い方はどの順番から読んでも問題はありません。

書誌を確認

まずはここで、出願人や登録・公開日などを簡単に把握しましょう。

技術の概要について理解する

要約と詳細な説明の「技術分野」、「背景技術」を読む事で、特許公報に記載されている技術の概要について理解します。

どのような課題があるのかを把握する

詳細な説明の「発明が解決しようとする課題」を読む事で、どのような課題があるかを把握します。この課題に対し、解決するための手段がそれぞれ④、⑤、⑥に記載されています。

解決手段を把握する

課題を把握した事で、ここから解決するための手段について読み解くことができます。

請求の範囲を把握する

④で「課題を解決するための手段」を読んだことで、抽象的だった内容について理解することができるようになります。

更に詳しく具体例を見る

より具体的な内容をしりたければ詳細な説明の「発明を実施するための最良の形態」を読みます。ここで、書かれた内容が実際の発明での製品み結びついてきます。

まとめ

特許公報の書き方は非常に独特です。普段文章を読んでいる人でも、特許の内容は理解し辛いものです。この記事で特許の構成を理解することで、特許を読むスピード、理解力も増すはずです。特許ビギナーの方は、まずは要約・詳細な説明から読む事で、その分野について理解を深めましょう。そして数多くの特許を読むことで、内容をスムーズに理解できるようになります。

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