特許調査をしていると、文献番号に「特開2021-XXXXXX」や「特許2021-XXXX」等と表記がされています。この「特開」や「特許」は公報の種別を表しています。
「公報の種別」は主に以下の種別を表しています。
- 公開or登録された公報
- 国内or国際で出願された公報
この種別について「いまいち理解ができていない」という方向けに、誰でもわかるようにまとめました。是非特許調査の参考にしてみてください。
特許出願・登録された内容について、特許庁が公に公開していデータの事を言います。

この記事では以下について解説します
・特許が登録になるまでの簡単なフロー
・特許公報の種類
特許が登録になるまでの簡単なフロー
特許を出願して登録になるまでのフローを図に示しました。公報が公開されるタイミングは2回あります。ここで、以下フローを理解しておけば、後の特許公報の種類についても分かりやすくなります。

・1つは公開特許公報(左側のフロー)です。特許出願からおよそ1年6カ月で出願されます。特許権はこの段階ではまだ与えられていません。
・2つ目は特許掲載公報(右側のフロー)です。特許出願された後、いくつかの審査をパスすることで最終的な登録となります。これがいわゆる特許権を与えられた「特許」になります。
なぜ登録された特許だけでなく「公開」も必要なのか?
公開特許公報は、あくまでも公開であり「特許権を与えられた」ものではありません。それなのに、どうして公報として公にされているのでしょうか。
それは特許制度の目的が「発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与すること」にあるためです(特許法1条)。
つまり、特許は「ある有用な技術開発した発明者が守られる」ようにされます。またその技術を公開することで、「さらなる産業の発展」も目的にしています。
特許権を付与することで「その特許の権限を保護」するのと同時に、公開特許広報をスピーディに展開することで「産業の発展を促している」わけです。
特許の種類
国内で出願される特許の情報は特許庁が「公報」として公開しています。その情報については、特許庁が運営しているJ-Platpatから確認することが可能です。
J-Platpatで実際に検索をすると、文献番号が表示されます。この文献番号をクリックすると、文献の先頭部分で、正式な「公報の種類」を確認できます。

以下の表に特許の種類を示しました。ここから具体的な特許の種類について説明していきます。

特許掲載公報(特許)
登録された特許の公報のことです。正式に特許が与えられた発明を公にする事を目的にしています。
上記フロー図のところで、いくつかの審査を通過し認定登録されたものです。技術的な内容について、詳細な説明がなされています。
公開特許公報(特開)
出願日から1年6ヶ月後に公開される広報のことです。今後「特許権が与えられる可能性がある」発明について書かれています。可能性があるということで、「必ず特許権が与えられる」わけではありません。
ただし、まだ特許権はありませんが、無断で侵害をすれば補償金を請求されてしまうこともあるので、ご注意ください。
公表特許公報(特表)
公表特許公報とは、国際出願されている特許の事を言います。J-PlatPat上では、国際出願により、外国語で出願されたものが日本語翻訳されています。
再公表特許(再表)
法律上では「公報」ではありません。日本語で国際特許に出願されたものの公報になります。先行技術調査に必要な技術情報を提供する事を目的として載されています。あくまでも、行政サービスであるため、予告なく発行停止になることもあります。
公開の種類については、以下を理解して貰えばわかりやすいです。
- 国内出願の場合は「特開(公開特許公報)」
- 国際出願のうち、外国語で出願されたものは「特表(公表特許公報)」
- 国際出願のうち、日本語で出願されたものは「再表(再公表特許)」
まとめ
今回は特許公報の種類についてでした。
特許制度は「ある有用な技術開発した発明者が守られる」ようにされます。またその技術を公開することで、「さらなる産業の発展」も目的にしています。
そのため、登録されたものだけでなく、出願されたものも公開特許公報として公にされています。
以下、特許公開公報の種類についてのまとめです。この機会に覚えて、特許調査に活用してください。
- 国内出願の場合は「特開(公開特許公報)」
- 国際出願のうち、外国語で出願されたものは「特表(公表特許公報)」
- 国際出願のうち、日本語で出願されたものは「再表(再公表公許)」
コメント