資料やレポート作成などをしている時に「引用文献を記載する」という場面は多くありますよね。
しかしこの引用文献を記載する時に難しいのが、「記載の方法が複数ある」という点です。
そのため、「結局どうやって書けばいいの?」「どの方法が正しいの?」と分からなくなってしまいます。
そこで、特に化学に関しての情報を引用するときの方法を分かりやすく解説しますので、是非参考にしてください。
化学系の引用はこの方法で行えば間違いなし(ACS・Wiley)
まず引用文献の記載の仕方は「学会や出版社によって異なる」という事実があります。
そのため、特定の学会の論文に投稿する際などはその決まりにしたがって引用文献を記載する必要があります。
しかし、各種発表(社内プレゼン・学会発表)などでは特定のフォーマットはありません。
つまり自分の好みの方法で引用文献を書けば良いということです。
とはいってもどんな方法で引用すればいいの?と迷ってしまいますよね。
そこで、「この方法で引用すれば間違いない」という方法を2つ紹介します。
この方法は本当にどちらもメジャーな方法ですので、自分の好みで決めてください。
そして、毎回自分は「このスタイルで引用文献を書く」と決めることで、今後引用文献を記載する際にも迷うことがなくなります。
Wiley(ワイリー)方式で引用を書けば問題なし
結論から言うと、Wiley方式で引用文献を記載すれば基本的に間違いありません。
具体的な記載の仕方は以下を参考にしてください。
![](https://bizchem.net/wp-content/uploads/2022/10/image-2-1024x335.png)
それではここから、著者名、雑誌名などの各項目について詳しく見ていきます。
著者名の書き方
ここからは詳しく見ていきます。
まず著者名についてです。
著者名は「名前のイニシャル+ドット姓、カンマ」の順になります。
![](https://bizchem.net/wp-content/uploads/2022/10/image-3-1024x290.png)
例えば、著者が鈴木一郎、田中二朗の場合は以下のようになります。
I. Suzuki, J. Tanaka, 雑誌名
また著者名は全員記載するのが基本的なルールです。
実際の論文で著者名の抜き出し方を確認
それでは以下の論文から著者名を引用する場合はどうすればいいでしょうか?
![](https://bizchem.net/wp-content/uploads/2022/10/image-4-1024x523.png)
ここで1つ問題があります。
それは「外国の方の場合はどっちが名前か名字か見分けがつかない」ということです。
しかしこれは全く問題ありません。「基本的に名前、姓の順」になっています。
そのため、著者名を抜き出すと以下のようになります。
A. Xu, Y. Wang, H. Ge, S. Chen, Y. Li W. Lu, 雑誌名~
ミドルネームがある場合はどうする?
![](https://bizchem.net/wp-content/uploads/2022/10/image-5-1024x455.jpg)
ミドルネームがある場合は、
基本的に「名前、ミドルネーム、姓の順」になっています。
そのため「名前のイニシャル. ミドルネームのイニシャル. 姓,」としてください。
そのため上の例では以下のようになります。
M. L. V. Rios, A. M. Gonzalez, 雑誌名~
論文の雑誌名の書き方、調べ方、略称について
続いては論文の雑誌名の書き方です。
ここも案外知らない方が多いポイントなので、是非チェックしてください。
論文の雑誌名の書き方は以下の2つがポイントです。
- 1.略称で書く
- 2.イタリックで書く
この2つを守ったら雑誌名の書き方は完璧です。
なぜ略称で書くの?略称の調べ方は?
それでは雑誌名はなぜ略称で記載するのでしょうか?
それは、単純に「雑誌名を省略して、読みやすく(分かりやすく)する」ためです。
しかしここで問題なのは、「どうやって略称を調べるのか?」ということです。
略称を調べる場合は、「The University of British Columbia Woodward libraryの検索サービス」で調べるのが最速です。
例えば、日本の石油化学に関する雑誌、「Journal of the Japan Petroleum Institute」の略称を調べて見ましょう。
![](https://bizchem.net/wp-content/uploads/2022/10/image-6.jpg)
下の画像が、「The University of British Columbia Woodward libraryの検索サービス」の画面です。
![](https://bizchem.net/wp-content/uploads/2022/10/image-8-1024x411.jpg)
そして赤枠の画面に今回の目的の「Journal of the Japan Petroleum Institute」を入力します。
![](https://bizchem.net/wp-content/uploads/2022/10/image-8-1024x444.png)
すると、略称である「J. Jpn. Pet. Inst.」が表示されるので、これをイタリックにして入力したら完了です。
年、巻数、ページについて
年、巻数、ページについては深いことはありませんので、そのまま下の図を参考に記入してください。
![](https://bizchem.net/wp-content/uploads/2022/10/image-2-1024x335.png)
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