[誰でもわかる] 促進輸送膜とは 注目される分離膜技術をやさしく解説

プラスチック・樹脂

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近年カーボンニュートラルに向けた動きが世界各国で急激に進んでいます。

そして大学、企業で新たな新技術開発が進められており、その中でも注目を集めているのが、分離膜によるガスの分離技術です。

このガスの分離技術により、例えば空気中からCO2だけを分離して地中に埋めたり、化学品の原料などとして利用することができる可能性があり期待されています。

今回はその中でも従来の分離膜の性能を遥かに凌駕することから注目されている促進分離膜についてわかりやすく解析していきます。

BizChem編集部

この記事では以下について解説します

・促進分離膜の概要

・促進分離膜のメカニズム

・促進分離膜の活用先

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RYOTA

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促進分離膜とは?

促進輸送膜とはガス分離膜の種類の1つです。

ガス分離膜にはついては以下で簡単に解説していますので、まずはこちらをチェックしてください。

ガス分離膜には大きく分けて高分子膜(ポリマー)、混合マトリックス膜、無機膜、そして今回紹介する促進輸送膜に分類されます。

そしてこの促進輸送膜は高分子膜の欠点である選択性を補う目的で今後の活躍が期待されている次世代の膜です。

それではなぜこの促進輸送膜が最近注目されているのでしょうか?

それは上記でも述べましたが、高分子膜の欠点である選択性を補うことができるからです。

高分子膜のメリットは何より比較的安価で製造が簡単なことが特徴です。一方高分子膜の短所は選択性で、選択性をあげようとすると透過性が下がってしまう問題があります。

これを解決するために、開発されたのが促進輸送膜です。

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促進輸送膜のメカニズム

促進膜は選択性などの欠点を解決するために開発された分離膜ということを述べました。

では促進輸送膜ではどうしてこのように選択性を向上させることができるのでしょうか。

その理由は高分子中に目的の物質のみの透過を“促進“させるような物質が埋め込まれているからです。

促進輸送膜 無機膜 高分子膜 比較

通常の高分子膜での分離のメカニズムは以下の通りです。

・ガスがポリマーに溶解

・ガスがポリマーの中を拡散

・ポリマーに対する溶解性や拡散性が高い物質がポリマーを通り抜ける(分離される)。

というメカニズムです。

ここに分離したいガスとだけ相性(親和性)が良い物質(キャリア)がポリマー中にあることで、そのガスだけがよりポリマーを通りぬけやすくなります。

このように促進膜ではポリマーに目的の物質の透過を促進させる物質を埋め込むことで高い選択性を実現できています

また無機膜は高分子膜の分離のメカニズムとは全く異なっており、分子ふるいというメカニズムによりガスを分離しています。

これは細孔の大きさを利用するもので、通したいガスだけ通すことができる穴が開いているイメージです。

以下の図には各種分離膜を分類していますので参考にしてください。

透過性:ガスをどれだけガスを透過させるか。

ガス分離膜 分類 種類
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促進輸送膜の利用先

促進輸送膜は大変魅力的な技術的にも関わらず現在はまだ実用化されていません。

その理由としては製造コストや耐久性などの課題があるためです。しかしこの魅力的な特性から様々な分野での応用が検討されています。

その代表的な分野なのが、まず二酸化炭素の分離です。現在世界各国でCO2の排出を抑制する技術などが開発されています。そして分離膜のその技術の1つとして大変期待されています。

またアルカンとアルケンの分離用途でも大変注目を集めています。アルカンとアルケン(エタンとエチレン、プロパンとプロピレンなど)はそれぞれポリエチレンやポリプロピレンの原料として非常の多くの量が使用されていますが、これらを製造する前段階として、エチレンやプロピレンを蒸留してエタンやプロパンと分離する必要があります。

しかしその分離には莫大なエネルギーを消費しており、世界の0.3%のエネルギーが消費されるとも言われています。

そのためこれらをより少ないエネルギーで分離する技術として膜分離が注目されており、この促進膜も検討されています。

促進輸送膜の検討例 プロパン/プロピレンの分離膜

促進輸送膜にもいろいろな種類がありますが、ここでは現在最も注目されているプロパンとプロピレンを分離する分離膜を例に出して解説していきます。

プロパンとプロピレンは分子サイズや沸点などが非常に似ているなどの特徴から分離が非常に難しいことが知られています。

しかしプロピレンは世界で最もよく使われているモノマーで、現在は蒸留によって分離が行われています。

この蒸留に変わる技術として分離膜が注目されており、促進膜の適用も検討されています。

この分離を促進する添加剤としては銀イオンが最も適していると考えられて研究がされています。その理由としては銀イオンがプロピレンと可逆的な相互作用を行うことで、プロピレンのみを優先的に透過させる機構を持っているからです

まとめ

今回は促進輸送膜について概要をわかりやすく説明しました。これらからの技術として大変注目されていますので、是非チェックしてください。

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