だれでも分かる [ゼオライトの再生方法] ゼオライト触媒はどうやって再生するのか?

化学の知識

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本記事では化学メーカーで研究開発をしている私が「ゼオライトの再生方法」について解説していきます。

ゼオライトは多くの化学プロセスで用いられている触媒ですが、「寿命が短い」という欠点があります。

この欠点を補うために非常に重要で、不可欠である「ゼオライト触媒の再生方法」について詳しく解説していきます。

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ゼオライト触媒の再生方法について簡単に理解

まずゼオライトの再生方法を理解するには、

「ゼオライトはどこが劣化したのか?(どのように劣化したのか?)」

ということを理解する必要があります。

例えば、車が故障した場合、

どこが故障したか、どのように故障したのか

によって、修理の方法が変わるのと同じイメージです。

ゼオライトの劣化原因は大きく分けた以下の3つになります。

  • 1.カーボン質の付着(炭素析出)による細孔の閉塞
  • 2.有機物が蓄積することによる細孔の閉塞
  • 3.脱アルミニウムによる結晶構造の変化

この中でも再生可能なのは、1番と2番だけになります。

3番は触媒自身が壊れてしまっているため、再生できないとイメージしてください。

それではこの劣化する要因をイメージしてながら「触媒の再生方法」を見ていきましょう。

またゼオライト触媒の劣化要因については以下のリンクで詳細に解説しています。

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炭素の燃焼による触媒の再生

「炭素の燃焼による触媒の再生」は最も一般的で工業的にもよく用いられています。

ゼオライト触媒の最大の劣化要因は「触媒の表面に炭素が付着する炭素析出」で、以下のような反応によって起きます。

2CO(気体) → C(固体)+ CO2 (気体)

CO(気体)+ H2(気体)→C(固体)+ H2O(気体)

そしてこのように炭素析出により劣化した触媒は、炭素の燃焼によって再生することができます。

これは劣化した触媒を500℃-700℃の条件で酸素を導入して、炭素を燃焼させることで付着した炭素を除去します。

またこの時燃焼するのは、炭素だけではなく、細孔内に閉じ込められた有機化合物(劣化要因2)も燃焼されるため、触媒が再生されるというメカニズムです。

FCC での触媒の再生例(流動床)

触媒の再生方法として最も有名なのがFCCでの触媒の再生です。

これは原油から得られた重質油からガソリンを作る反応です。

しかしこの反応では、非常に短時間(数秒~数分)で炭素が析出して、触媒が劣化してしまうという問題があります。

この問題を解決するために、触媒を連続的に再生する方法が取られています。

具体的にはある一定時間使用して、炭素が付着した触媒は再生塔という、炭素を燃焼する場所に輸送されます。

そして再生塔で炭素が除去された触媒がまた反応に使用される、というサイクルが繰り返されます。

このように連続的に触媒の再生を行うことで反応が行われています。

MTP(メタノール→プロピレン)での触媒の再生

メタノールからプロピレンを製造する反応にもゼオライト(ZSM-5)が用いらています。

この触媒も数100時間で触媒が炭素析出することで劣化しますので、触媒の再生が行われています。

こちらの再生方法はFCCのように連続的に再生するのではなく、例えば3つの反応器を用意し、反応に使用するのは2器のみ。

そして使用していない反応器は再生に回すという仕組みです。

このように反応器を切り替えて、再生と反応を行うことで連続的に運転されています。

またこの反応ではおおよそ500時間から600時間ごとに再生が行われています。

その他ゼオライト触媒の再生例

ゼオライト触媒を工業的に使用するためには、再生処理が不可欠です。

以下に一覧を示しますので、参考にしてください。

プロセス名反応触媒方式再生方法企業
FCC接触分解USY流動床連続各種企業
MTPメタノール→
プロピレン
ZSM-5固定床一ヶ月程度Lurgi
MTOメタノール→
低級オレフィン
SAPO-34流動床連続大連化学
アルファ軽質オレフィン
→芳香族
Zn/ZSM-5固定床数日旭化成
オメガ軽質オレフィン
→プロピレン
AgNa/ZSM-5固定床数日旭化成
Superflex軽質オレフィン
→プロピレン
ZSM-5流動床連続KBR
ε-カプロ
ラクタム
ベックマン
転移
ZSM-5流動床連続住友化学

ゼオライトが急速に劣化するプロセスでは流動床により、連続的に再生されているのが特徴です。

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まとめ

今回はゼオライトの再生方法について紹介しました。ゼオライトの再生はゼオライトを工業的に使用するための必須の技術ですので、是非参考にしてください。

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