海外の顧客や社内向けに英語でプレゼンを行う際、次のような状況に直面したことはありませんか?
- 作り方が分からない。日本語との違いは何?
- どのような表現をプレゼンで使えばいいか分からない。
- プレゼン自体は内容を暗記して乗り越えたが、質疑応答で上手く答えられず失敗した。
私もずっと同じような経験をしており、様々な参考書を読んだり、私も実体験や実際に行っている方法をまとめたので是非参考にしてください。
以下の7つの手順を踏めば、必ずステップアップできると考えています!
英語プレゼンの基本は知る
英語プレゼンと日本語プレゼンの違い
「起承転結」ではない 構成の違い
日本人の場合、幼い頃より「起承転結を意識しろ」と教育されています。
それはプレゼンでも同様のようです。
「起」でテーマの導入をして「承」で主題を展開、「転」で視点を変えて話を盛り上げ、「結」で全体をまとめて締めくくる、という構成が日本語プレゼンの主流です。
それに対して、英語のプレゼンは「序論」「本論」「結論」の3つのパートで構成されており、話の展開の仕方が異なります。
「序論」でテーマ導入と共に何を伝えたいのかという「結論」の内容を提示。
「本論」で自分の考えを展開していき、「結論」で改めて主張を述べてまとめる、という構成で話が進められます。
日本語ならではの表現はNG
日本人のプレゼンがネイティブに伝わりづらい原因は、日本語ならではの表現を直訳してしまうことにもあります。
例として分かりやすいのが、日本特有の前置きの挨拶。
たとえば「ただいまご紹介にあずかりました、〜と申します。」というのを「I am〜 who has just been introduced.」と訳したり、「よろしくお願いいたします」を「Thank you in advance.」や「Nice to meet you.」と直訳したりして冒頭で言ってしまいがちです。
ですが、これらの表現はネイティブからするととても不自然です。
プレゼンのはじまりでは、
「Hello, everyone. Thank you very much for coming today.」
というように、簡単な挨拶と発表の機会を与えてもらったことへの感謝の気持ちを伝えましょう。
日本語と英語では、それぞれの文化や考え方に基づいた異なる表現があります。
その点に気づかず日本語をそのまま直訳してしまうことも、日本人のプレゼンが伝わりづらい原因の1つと言えると思います。
いろいろなスライドの例を見てイメージを膨らます
実際の英語のプレゼン資料をみないとなかなかイメージも沸きづらいと思います。
最近では様々なスライドが共有されております。
例えば以下はDropboxの決算資料で非常によくまとまった資料です。
Q4 2022 DBX Investor Presentation.pdf from Dropbox
以下のサイトにはあらゆる分野ものがまとまっているので是非参考にしてください。
構成をとにかく練る
プレゼン資料は、そのプレゼンの場の成否を決める大事な武器です。
刀と同じく、自分の魂を込めるかの如く、日々磨いて鍛錬しなければ、自分の愛刀とはなりえません。そして、現代ではその「戦の場」が全世界にまたがっています。つまり、英語をはじめとする多言語でのプレゼン資料も目を通さなければならない時代になっています。
プレゼン資料の作成の基本は、日本語であろうと英語であろうと変わりはありません。
Introduction
まずは、冒頭部分からはじめていくのですが、英語では視聴者との関係づくりを意識して行うのがいいでしょう。
Good afternoon, everyone.などの簡単な挨拶を入れて、自己紹介を行います。
そして、プレゼンテーションの目的を簡潔かつ明確に伝えましょう。
(例)Let me introduce the new item, today.
新しい商品を紹介します。
そのあと、だいたいの所要時間を伝えていると、より英語らしく丁寧なプレゼンテーションになります。
では、冒頭部分の流れをみてみましょう。
Main body
Introductionが終わったら、いよいよ本題です。
本題では完結かつテンポよく伝えることがポイントになります。
また、英語では、文章のはじめにきっかけとなる表現を置くことが好ましいでしょう。
よく使う表現として挙げられるのが、以下の通りです。
- In addition:さらに
- Next:次に
- In conclusion:結論としては
- Therefore:したがって
- Moreover:加えて
- Just to make sure:念のため
- Don’t forget to~:忘れずに
Conclusion
Main bodyで本題を伝えられたら、Conclusionに入ります。
締めのセクションでは、これまでのプレゼンテーションの内容を振り返り、要点をまとめます。
原稿を作る
スライドを作る前に原稿を作成するのは最も重要です。
まずは全体の構成ができたら原稿を作っていきましょう。
言いたいことをとにかく書き出す
原稿を作るにあたって、言いたい情報をとにかく書き出すことが重要です。
まずは情報を整理する前にひたすら書き出していきましょう。
何を伝えたいかを考え、選択する
書き出しが終わったら情報を取捨選択しましょう。
今回伝える必要があること、伝える必要がないことを整理する段階です。
この時特に重要な点が、自分が話したいことではなく、聞き手が何を聞きたいのか?を意識することです。
そして選択が終わったら最初に考えた構成に落とし込んでいきましょう。
一文はなるべくシンプルにする
原稿作成時に一文をなるべく短く、シンプルにすることを心がけるのもポイントの1つです。一文の長さは息継ぎをせずに一息で話せる長さにすることが理想的で、おおよそ25〜45字が目安になるでしょう。そのため、原稿作成の際には接続詞を多用しないように気をつけましょう。
一文が短くなると聞き手は文章のかたまりを認識しやすくなり、話の構成が理解しやすくなります。また、話すテンポが上がって聞きやすいスピーチにすることができるのです。
聞き手が知らない情報は説明する
聞き手にスピーチの時間をより有意義なものと感じてもらうためには、スピーチ中に聞き手が知らないと考えられる情報の説明を入れると良いでしょう。
解説なしに専門的な単語が登場すると、聞き手の意識が途切れてしまう原因となります。その場を盛り上げるためにも、参加する人の前提知識を踏まえ、全ての人がわかりやすいように噛み砕いて伝えることを意識しましょう。
スライドはシンプルに、でも作り込む
スライド内で「I ・We」などは省略
スライドを作成する際は、見る側が理解しやすいように心掛けることが鉄則です。
冗長な表現にせず、要点だけを伝えるために「I」や「We」などの不要な主語は取り除きましょう。
箇条書きを有効に使う
シンプルなスライドを作るために箇条書きは必須ですが、以下を注意しましょう!
主語や冠詞(“a”や“the”)を省く
英語資料において、主語が明らかな場合や、箇条書きの項目の前に主語を特定している場合などは、省略されることが多いです。また、“a”や“the”などの冠詞についても、抜いても意味が通じるものに関しては、省くことで文字数を抑え、コンパクトにします。
品詞などの表記方法を統一する
箇条書きの上にある文の終わりは、ピリオドではなく「コロン(:)」で結び、箇条書きの部分は、品詞を揃えるようにします。
たとえば、例のように、最初の項目で動詞から書き始めたのであれば、以降もすべて動詞で統一します。
名詞ではなく動詞を使う
一般的箇条書きをする場合は、名詞ではなく、動詞を使うほうが良いとされています。
是非箇条書きをする際は、動詞を使うようにしましょう!
おすすめのフォント
見やすいプレゼン資料を作成するには、フォントにも気を配った方が良いでしょう。
日本語と英語で同じフォントにしてしまうと、字がつぶれて読みにくかったり、アポストロフィーなどを付けるときに不自然な間ができたりと問題が起こる可能性があります。
英語で資料を作成する際のフォントは、SugoeUIがおすすめです。
その他「Segoe UI」以外では「Calibri(カリブリ)」「Arial(エイリアル)」がおすすめです。
いずれも可読性や判読性が高く、美しく見えるフォントです。太字にも対応しています。
色に関しては以下サイトを見て、自分の好みを選ぶとよいと思います。
難しい言葉は使わない(短い単語を使う)
ビジネスシーンだからといって難解な英語や表現を入れすぎると、伝わりづらくなってしまいます。
その分野での専門用語などはもちろん仕方ありませんが、簡潔に表現できる内容をわざわざこねくり回した言葉や文法で表現するのは避けましょう。
長い単語 | 短い単語 |
---|---|
however | but |
furthermore | also |
therefore | so |
on the other hand | while |
in order to | to |
in the event that | If |
スライドの文章を校正する
スライドができたら文章を校正しましょう。
例えば日本語のスライドを見て、誤字脱字や表現に誤りが多ければ、決して良いプレゼンにならないと思います。
ただ微妙なニュアンスや細かい間違いはわからないのが正直なところだと思います。
そこで以下に私が実践しているおすすめの方法を記載しています。
是非参考にしてください。
翻訳ツールを使う
もっとも簡単な方法です。
自分で書いた文章を翻訳ツールで翻訳してみましょう。
もし翻訳された日本語が意図した内容でなければ、間違って伝わる可能性が高いです。
おすすめの翻訳ツールはDeepLとGoogle翻訳です。どちらも無料で使えるので是非参考にしてください。
オンライン英会話で添削してもらう
私は最初はオンライン英会話で徹底的にプレゼンの練習をしました。
やはりネイティブスピーカーの方に実際にアドバイスをもらうのは上達に最も近道だと実感しましたのでおススメの方法です。
私が実際に役に立ったオンライン英会話を紹介していますので、是非参考にしてください。
校正ツールを使う
文法チェックツールの制度も非常に高いのでおススメです。
無料である程度できるので、私も複数サイトに登録して使っています。
Trinka AI
Trinka AIは、世界各国の研究者に論文英文校正サービスを提供しているエナゴを運営するクリムゾンインタラクティブが開発した世界初の学術論文・テクニカルライティングに特化したAI搭載の英文校正ツールです。
学術文章や専門用語が用いられる原稿の改善や、投稿原稿を公開可能な形に整える際に役立つように開発されました。
また、英語の文法やスペルチェックだけでなく、論文著者と連携し、全体的な言語の改善を確実に行うという機能が特徴的です。
原稿の修正を提案しつつ、学術的なスタイルガイドに合わせていきます。さらに、学術的な文体、適切な言葉遣い、概念の明確化、文構造、単語の代替え提案といったカスタム機能も付いています。
修正提案の理由についても詳しい説明が付きますし、文脈を変えずに別の表現を提案してくれるので単語数を削減することにも役立ちます。
世界各地の研究者が論文にアクセスしやすいように、米国式か英国式を選択することができることも学術論文にとっては重要な点です。
言語学者、ITエンジニア、そしてデータサイエンティストのチームが開発したこのツールは、学術関連から日常生活まで、あらゆる人、あらゆる種類のコミュニケーションをサポートするツールです。
Grammarly
Grammarlyは、世界的IT企業であるGrammarly社が開発した人工知能と自然言語処理を用いたライティングツールで、文法チェック、スペルチェック、盗用・盗作検出サービスを提供しています。
ウェブ上だけでなく、Google Chrome、Firefox、Microsoft Edgeのブラウザ拡張機能も備えており、さらにiOSやAndroid用アプリも提供しています。
テキスト入力画面に文章を入力すれば、間違いのある箇所や不適切な表現、修正の必要な箇所に赤線が示され、修正候補が表示されます。
Grammarlyのアシスタント機能を利用すると文章のパフォーマンススコアを確認したり、どのような文章を作成したいかに合わせた目標の設定を行ったりすることも可能です。
ひたすら練習しよう
まずは原稿を声に出して何度も読む
最も基礎的ですが、一番重要なことです。
不自然な部分や言いにくい部分がないかチェックしましょう。(必要があれば修正)
発音に不安がある場合は読み上げツールを使う
音読さん
音読さんに英文を入力すると英文を読み上げてくれます。
使い方は簡単。読み上げてほしい英文をテキストボックスにコピー&ペーストもしくは入力します。言語は英語に設定。読み上げボタンをクリックすると読み上げが開始されます。
読み上げの声は、女性の声、男性の声、子供の声(女の子)、子供の声(男の子)など18種類から選べます。また、アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、インド英語などを選択できます。
ちなみに、英語以外にもフランス語、スペイン語、中国語などもありますよ。
速度を変更することもできるので、読み上げ速度が速いと感じたら、速度を落として聞いてみましょう。
読み上げられた音声は、MP3ファイルでダウンロードできるので、移動時間などにスマートフォンで聞くこともできますよ。
Google翻訳
Google翻訳は使ったことがある人も多いかと思いますが、読み上げ機能があるのをご存知でしたか。使い方を解説しますね。
まずは、Google翻訳にアクセスします。左右にテキストボックスがあるので、左側に読み上げてほしい英文をコピー&ペーストもしくは入力します。
入力すると、右側のテキストボックスに翻訳が表示されます。英文の読み上げを開始するには、テキストボックスの左下にある「音声を聞く」を押しましょう。
ちなみに、日本語に翻訳された文章の音声を聞くこともできます。Google翻訳は日本語訳を見られるメリットがある一方、アクセントを選ぶことはできません。
しかし、Googleで「発音を知りたい単語 pronunciation」と検索すると、アメリカ英語とイギリス英語の発音を確認することはできますよ。
ReadSpeaker
ReadSpeakerは英文をネイティブスピーカーのような声で発音してくれるサイトです。
こちらも使い方は簡単です。まずは言語を選択します。ReadSpeakerではアメリカ英語かイギリス英語を選択できます。
オーストラリア英語やカナダ英語などは今のところないようです。言語を選択したら、人を選択します。男性、女性の中から選べるので、お好みの声を選択しましょう。
声が決まったら、画面左側にあるボックスに、読み上げてほしい英文をコピー&ペーストもしくは入力しましょう。再生ボタンをクリックすると読み上げが始まります。
再生速度、音量、音程を調節することが可能です。私が聞いた限り、ネイティブスピーカーに近い音声でした。英語学習で利用するには十分だと思います。
オンライン英会話を使いアドバイスをもらう
前述しましたが、これは私がもっと行った練習方法です。
実際に原稿を講師に話して、分かりずらい箇所や発音をチェックしてもらい、少しずつ改善しました。
これに勝る練習方法はないと思っています。
+α アイコンタクトとボディーランゲージ
言葉と同じくらいのメッセージ性を発揮できる「非言語コミュニケーション」(言葉以外の手段によるコミュニケーション)は、英語のプレゼンでとても重要視されています。
ジェスチャー(手の動き)
強調したい部分にジェスチャーを入れると、大事なポイントが分かりやすくなります。
また、さまざまなジェスチャーを取り入れることで、聞き手の興味と関心を保ち続けることにも繋がります。
アイコンタクト
聞き手としっかり向き合ってアイコンタクトを取ることで、「これを伝えたい!」という気持ちが聞き手に伝わります。
資料やスクリーンだけ見て話すというのは避けましょう。会場のあちこちに目を向けながら、聞き手一人一人と数秒間ずつアイコンタクトできるよう心がけます。
姿勢
肩の力を抜いて、堂々とリラックスした状態でプレゼンが始められればベスト。背筋を伸ばすだけでも、自信があるように見えます。
プレゼン中、動きすぎると聞き手の注意がそちらに向いてしまうので、動きをつける際は注意が必要です。
また、場所と目的に合った髪型や服装をしているかという点もチェックしましょう。
もともとジェスチャーやアイコンタクトがあまり得意ではない日本人。どちらかというと苦手、という方のほうが多いかもしれません。
でも、非言語コミュニケーションを巧みに取り入れたプレゼンは、聞き手に強い印象を与えられます。ぜひ意識してみてください。
基礎フレーズをマスターしよう
ある程度マスターしたら次は基礎フレーズをマスターしましょう。
これは非常に重要なことで、プレゼンではある程度使う表現は決まっています。
そこでここを覚えておくことでかなりスムーズに進めることができるようになります。
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