化学を専攻している学生の中には、こんなお悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
・化学系の就活は難しいの?
・化学メーカー以外に就職できるところはあるの?
そんな方必見!
一般的な化学メーカーのみが就職先の候補と思われがちですが「化学系の学生が就職先の候補として選択できる業界は非常に広い」です。
そのため「どんな業界があるかを知り・どんな業界を目指すかを定め」れば就活を有利に進めることができます。
この記事では、化学系を専攻する学生が就職活動を行う際の、業界選びと企業選びのポイントを詳しく解説します。
化学系の就職は難しい?
化学系の就活は他の学生に比べると難しいイメージがあります。
確かに、工学部の他の専攻「機械・電気・建築」などと比べると、就職はやや難しいのは事実です。
しかし、化学系の学生は就職できる業界がたくさんあるのが強みです!
それに「工学部の難しい」かもしれませんが、文系の就活よりは圧倒的に有利ですよ。
化学系の学生が就職しやすい分野や、その理由について詳しく見ていきましょう。
化学系は就職先がたくさん
一般に、化学系学生は化学メーカーへの就職が中心と思われがちですが、実際には多くの業界で化学系の専門知識が求められています。
現代社会において、化学技術は幅広い分野に応用されており、その需要は広範囲に及びます。
石油業界、食品メーカー、工業メーカー、製薬会社など、多岐にわたる業界で化学系学生の専門知識が求められます。
上記した通り、化学系の人は求められる業界もたくさんあります。
業界を詳しく知ることで、上手に就活を進めましょう!
モノづくり分野の多彩な選択肢
化学の知識は製造業を始めとするモノづくりの分野で特に重要です。
工場で使用される薬品や特殊溶剤など、多くの産業で化学が活用されています。
また、日本の大手企業の多くが化学部門を持っており、化学系学生には多様な選択肢が開かれています。
製造業は規模が大きいメーカーもたくさん!
規模が多ければそれだけ募集人数も多いです。
学位(学部・修士・博士)による就職先と業務内容の違い
化学系学生が就職先を選ぶ際には、学部卒、修士卒、博士卒という学歴によって、選択肢が異なります。
学部卒では、製造工程の担当や品質管理、営業などが一般的です。
修士・博士卒では、より高度な知識を活かした研究開発や製品改良、製造工程の効率化など専門職の強い仕事が求められます。
学歴に応じた就職先の選択は、自分のキャリアプランや希望する仕事内容を考慮して行うことが重要です。
研究の道に進みたい場合は、修士へ進学するのが一般的です。
化学系に人気の業界と種類
化学系学生が目指す就職先は多岐に渡りますが、特に人気の業界とその内容について紹介します。
各業界を詳しく解説した記事のリンクも併せて載せています。
元々転職向けに書いた記事ですが、業界研究に役立つと思うので参考にしてください!
化学メーカー
- 川上、川中、川下の分類: 化学メーカーは、原油や天然ガスの精製(川上)、中間製品の生産(川中)、最終製品の作成・流通(川下)という流れで製品が作られます。
- 技術力の高さ: 日本の化学メーカーは特に技術力が高く、石油依存からの脱却、新しい材料や製法の開発など、革新的な技術に常に挑戦しています。
近年では価格で海外に負けるため、機能性の高い材料などの開発に注力しているメーカーが多数です。 - キャリア選択: 学歴や専門性によって、研究開発、生産技術、品質管理など、多様な職種を選ぶことができます。
化学メーカーは人気が高そうですね。
自身の研究に直結できるような仕事が多いので「人気が高い」就職先です。
特に総合化学メーカーの研究開発は倍率も高いため、生産技術や品質管理などの職種を目指すのも一つの手ですね!
自動車・機械部品メーカー
- 化学技術の応用: 自動車部品の製造において、高性能プラスチックや新しい合成材料の開発が求められます。これは車の軽量化や燃費向上に直結する重要な分野です。
- エコカー開発: ハイブリッド車や電気自動車の開発には、バッテリー技術や新しいエネルギー源の研究が必要です。これらは化学の知識を基にしています。
近年では電気自動車の開発などで需要も高そうですね。
自動車などの部品メーカーはあまり人気が高くないので「個人的におすすめ」です!
私が初めて就職したのも、自動車部品の材料開発メーカーでした!
食品メーカー
- 食品安全と化学: 食品の安全性を保証するためには、化学知識が欠かせません。例えば、保存料や着色料の安全な使用には化学の知識が必要です。
- 新しい食品の開発: 健康志向の高まりと共に、新しい種類の甘味料や低カロリー食品の開発が進んでおり、これらは化学の研究に基づいています。
食品業界も人気は高そうですね!
食品業界は農学部とも競合する人気で競争力の高い業界です。
「食品関係に携わりたい!」と言う人は、食品パッケージメーカーや、香料メーカーを検討するのも1つの手ですよ!
化粧品業界
- 製品開発と化学: 化粧品の開発には、肌に優しい成分の選定や新しい製法の研究が必要です。これらは化学的な知識と技術に基づいています。
- 安全性と効果のバランス: 肌への影響を最小限にしながら効果的な製品を生み出すためには、化学的なテストと研究が欠かせません。
化粧品も化学系を求められる、人気の業界ですね。
製薬メーカー
- 新薬の研究開発: 新薬の開発には、化学合成や生物学的手法を駆使した研究が必要です。これには高度な化学知識が求められます。
- 臨床試験と品質管理: 新薬の安全性や有効性を確認する臨床試験も、化学の知識が重要です。また、製薬工程の品質管理においても化学技術が活かされます。
その他にも就職可能な業界は、半導体メーカーや繊維業界・建材など。
このように多岐にわたる業界で、化学系学生の専門知識が広く求められます。
化学系の就職で持っていると有利な資格
化学系学生が就職活動において有利になる資格を紹介します。
危険物取扱者(乙種・甲種)
化学メーカーやガソリンスタンドで働く際に必要とされるものです。
この資格はガソリンや灯油などの引火性の高い液体の安全な取り扱いに関するもので、特に甲種は化学系の大学または学部を修了していることが受験資格となっています。
この資格を持つことで、化学系出身の学生は石油関連の分野での就職に有利になります。
化学メーカーでは、入社してからも取る可能性が高い資格です。
社会人になる前に、時間が取れるうちに受けてみてはいかがでしょうか。
高圧ガス製造保安責任者甲種
化学工場で頻繁に扱われる高圧ガスの安全管理を担う資格です。
甲種、乙種、丙種の3種類があり、甲種は最も幅広い機器を扱える資格です。
高圧ガス機器の取り扱いに関する専門知識を証明し、企業からの評価も高まります。
特に、将来的に管理職を目指す学生にとって、甲種資格の取得はキャリアアップにつながる重要なステップとなります。
公害防止管理者1種(大気・水質)
工場排水や化学物質の流出による環境問題を防ぐための資格です。この資格を持つことで、工場のある地域とその周辺地域の環境調査を行い、具体的な改善策を考える能力を証明できます。化学メーカーや食品メーカー、さらには公務員としてのキャリアも選べるようになります。難易度は高いですが、取得していれば化学メーカーへの就職に非常に有利です。
エネルギー管理士
工場での電気やガスなどのエネルギー使用量の監視・管理・改善を行う資格です。多くの工場では、エネルギーの効率的な使用とコスト削減が求められており、この資格を持つことで、企
業にとって価値ある人材となることができます。特に、化学メーカーや食品メーカー、自動車メーカーなどで働きたい学生にとって、エネルギー管理士の資格は非常に有益です。
有機溶剤作業主任者
化学工場や医薬品製造工場などで頻繁に使用される有機溶剤の安全な取り扱いに関する重要な資格です。
この資格を持つことで、有機溶剤を使用する作業の管理、換気装置の保守と点検、作業環境の監視など、多岐にわたる安全管理の業務を担えるようになります。
合格率が比較的高いこともあり、化学系の学生には取得しやすい資格の一つです。
講習を受ければ受かります!
簡単な資格なため、取っておくのもありだと思います。
TOEIC
TOEICのスコアは、化学系学生が就職活動で英語力をアピールするための重要な指標です。特に国際的な業務を行う企業や外資系企業では、英語のコミュニケーション能力が高く評価されます。
また、研究・開発職では、最新の学術論文や技術情報を英語で理解する能力が必要です。英語力を向上させることは、活躍のフィールドを広げるだけでなく、就職活動においても大きなアドバンテージとなります。
これらの資格は、化学系学生が就職市場での競争力を高めるための重要なツールとなります。専門知識と技術を証明し、将来のキャリア構築に役立てることができるため、積極的な取得が推奨されます。
英語はどこでも必須なスキルです!
私も海外のユーザーと打ち合わせをすることはあります。
化学系で就職先を選ぶ際のポイント
化学系の学生が就職先を選ぶ際に考慮すべき重要なポイントは以下の通りです。
興味のある業界・業種を明確にする
就職先選びで最も重要なのは、自分が関心を持っている業界や業種を見つけることです。自己分析を行い、どの分野に興味があるか、どのような仕事に魅力を感じるかを明確にしましょう。
「収入がいいから」や「大手企業だから」といった理由だけで企業を選ぶと、将来的にミスマッチが生じる可能性があります。
化学系の学生は多様な選択肢があるため、自分が本当に関心を持てる分野を見極めることが重要です。
研究したい内容と企業カルチャーのマッチング
自分の専攻や研究テーマと合致する業界や企業を探すことが、仕事の充実感につながります。
ただし、研究内容と企業がマッチしていても、企業のカルチャーや価値観が自分に合っていなければ、仕事に満足できないかもしれません。
企業が新しい技術やアイデアに対してどれだけオープンであるか、研究開発にどれだけ注力しているかを調べることが重要です。
研究開発・投資への積極性
研究開発に対する企業の姿勢は、特に化学系の学生にとって重要な選択基準です。
企業がどれだけ研究開発に投資しているか、新しい技術や製品開発にどれだけの意欲を持っているかを確認しましょう。
企業の研究開発費用や投資の状況は、企業の決算報告書や年報で確認できます。特に、「売上高研究開発費率」をチェックすると良いでしょう。
就職後のキャリアプラン
将来的なキャリアプランを描けるかどうかも、企業選びの重要なポイントです。
自分がどのようなキャリアを目指しているのかを考え、それを実現できる企業かどうかを検討しましょう。
企業の規模によって、キャリアパスや研究開発の機会が異なることを理解し、自分のキャリア目標に合った企業を選ぶことが大切です。
インターンシップの活用
求人情報だけでなく、インターンシップを通じて実際の職場環境を体験することも有益です。
実際に働いてみることで、仕事の実態や職場の雰囲気を理解し、自分に合うかどうかを判断することができます。
複数の企業でインターンシップに参加し、比較検討することで、最も適した就職先を見つけることが可能です。
これらのポイントを踏まえて、自分にとって最適な就職先を見つけることが、化学系学生にとって重要です。自分の関心、キャリアプラン、研究への情熱を基に、慎重に企業選びを進めていくことが推奨されます。
まとめ
化学系の学生が就職活動を行う際には、専門知識を活かし、多様な業界から選べる強みがあります。しかし、その一方で、選択肢の多さがミスマッチを生じるリスクも孕んでいます。そのため、就職活動では自分のやりたいことを明確にすることが非常に重要です。
まずは自己分析を行い、自分の適性や興味を深く理解しましょう。自分が何をしたいのか、どのようなキャリアを望んでいるのかを明確にし、その基準に基づいて企業選びを行うことが肝要です。また、自分がなぜその企業を志望するのか、企業が求める人材と自分のスキルや経験がどのように合致しているのかを具体的に説明できるように準備しておくことが大切です。
採用担当者は、候補者がその企業を選んだ明確な理由を求めます。自分がその企業で何を学び、どのように貢献できるかを具体的に伝えることができれば、他の候補者と差別化され、採用の可能性が高まります。
就活のプロセスでは、自分の志望動機やキャリアプランを第三者に伝える訓練も重要です。面接やエントリーシートでの自己表現を通じて、自分のやりたいことを言語化し、相手に伝わるようにすることが、成功への鍵となります。
化学系の学生が就職活動を有利に進めるには、自分の目指す方向性を明確にし、それを適切に伝える能力を身につけることが必要です。自分の専門知識やスキルを効果的に活用し、自分に合った最適な職場を見つけることを目指しましょう。
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