ポリカーボネート(PC)とは【用途例・特性・物性】

プラスチック・樹脂

※当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

ポリカーボネート(PC)は5大エンジニアプラスチックに含まれ、エンジニアプラスチックの中でも、多く使用されるプラスチックの1つです。

熱可塑性樹脂の中でも最高峰の耐衝撃性を持っているのが特徴です。

透明度の高さから「ガラスの代用」として使用される等、幅広い分野で活躍しています。そんなポリカーボネートについて誰でも簡単に、分かり易くご紹介します。

BizChem編集部

この記事では以下について解説します

・ポリカーボネート(PC)の特性

・ポリカーボネート(PC)の物性

・ポリカーボネート(PC)の用途例

・ポリカーボネート(PC)の加工・成形

スポンサーリンク

ポリカーボネート(PC)の特性

概要

ポリカーボネートは(PC)は分子構造の中に炭酸エステル構造を持つポリマーの総称です。

5大エンジニアプラスチックの1つに含まれます。

熱可塑性の樹脂の中でも、ポリカーボネートは最も耐衝撃性が高いと言われています。

また、非結晶性の樹脂であり透明度がガラスと同程度であることから、ガラスの代用としても用いられます。

透明性・耐衝撃性・耐候性の高さから、様々な分野で活躍する樹脂です。割れにくく、紫外線劣化などが起きにくいため、屋外で使用することができます。

歴史的な背景としては、ポリカーボネートは1956年にドイツで初めて工業化されました。日本においても、1960年に帝人、出光石油化学が生産を開始しています。

透明度について

ポリカーボネートの透明度は、全てのプラスチックの中でもアクリルに次いで2番目です。そのため、ガラスの代用として多く使用されています。

特徴

ポリカーボネートを使用する上での長所と注意点を以下にまとめました。

長所

・熱可塑性樹脂の中でも最高の耐衝撃強さを持ち、機械的特性も高い

・優れた透明性を持つ(透明性はアクリルに次ぐ高さ)

・低温(-100℃)から、高温(120℃)まで、幅広い温度領域で使用可能

・絶縁材料として優れた電気特性を持つ

・自己消化性を有しており、難燃剤を加えることで容易に難燃グレードになる

・耐候性に優れ、吸水も少ない

注意点

・非結晶性の樹脂なので、一部の有機溶剤に侵される

透明度が高く、衝撃に強に強く、耐候性を持っているポリカーボネートですが、「一部の有機溶剤には侵される」といった弱みもあります。

スポンサーリンク

物性

最高峰の耐衝撃性を持つポリカーボネートはエンジニアプラスチックとして、機械的特性が高い樹脂です。

そんなポリカーボネートですが、ガラス強化によるグレードは更に機械的強度が高められています。そのポリカーボネートについて一般的な物性を示しました。

樹脂はグレードにより物性値は大きく異なります。そのため、上記の表はあくまでも参考としてください。

スポンサーリンク

ポリカーボネート(PC)の用途例

耐衝撃性・耐候性・耐熱性・寸法安定性・低吸水性を有するポリカーボネートは、様々なシーンで使用されます。

その中でも、ポリカーボネートの需要拡大に起因したのが、CD・DVDといった光ディスクの基盤用途です。

電気絶縁性に優れる

電気絶縁性が高いので、CD等の基盤に使われています。また、耐衝撃性の面では、CDを曲げたことがある人は分かると思いますが、簡単に折れることはありません。ポリカーボネートが如何に衝撃に強いかが分かると思います。

また、電子機器関連にも使用されています。

一番身近なところでは、「スマートフォンのボディ」としての活用です。精密な内部を守るために、衝撃に強い点や、屋外で使用しても紫外線劣化が起きにくい点が重宝されています。

一時期はiPhoneのボディにも使用されていました。同じ理由で「一眼レフ等のカメラ」や、「双眼鏡」のボディとしても使用されています。

屋外での使用が可能

外に持ち運ぶような、精密機械のボディに使用することができます。衝撃に強いので、万が一落としても耐えられるようになっています。耐水性があることもポイントです。

屋外での使用・透明性が求められるようなところでは、「自動車のヘッドランプのカバー」や、「駐車場の屋根」として使用されています。

耐衝撃性の高さから、防弾ガラスといったガラスの代用としても有名です。

  • ディスク CD・DVD等の光ディスク
  • 電子機器 スマートフォン・カメラ・ファックス・パソコンのボディ
  • 建築資材 駐車場の屋根・アーケード・高速道路防音壁・安全窓ガラス・防弾ガラス
  • 電化製品 コネクター・テレビ・ドライヤー・加湿器、エアコン等
  • 食品   食品 哺乳瓶、電子レンジ用の食器等

ポリカーボネート(PC)の加工・成形

成形

光ディスクや各電化製品の部品などは、射出成形で作られています。

フィルム等の用途では基本的に押出により成形されます。

  • 帝人
  • 出光興産
  • 三菱ケミカル

切削加工

切削用のプレートとしても販売されています。建材などのパーテーション、カバー用途として使用されるケースが多いです。

市販の接着剤での接着が可能なため加工の幅は広いです。

  • タキロンシーアイ株式会社
  • 住友ベークライト
  • クレハエクストロン

まとめ

最高峰の耐衝撃性、優れた透明性を持つポリカーボネートは、その特性の高さから、多くの分野で活躍しています。

特にAO機器や、精密機器関連では昔から使用されており、スマートフォンのボディといったところでは、今後益々需要が増えていく分野だと思われます。

コメント