転職活動において非常に重要になるのが「職務経歴書」です。職務経歴書は一番最初の関門となる書類選考から、最終面接まで使用されます。そのため、職務経歴書の完成度が高ければ、それほど内定率はアップします。
その中でも自己PRは最も重要な項目の一つです。
・研究職向けの自己PRの作り方がわからない!
・化学系メーカーの研究職に転職したい!
と言う方は必見!
筆者が実体験を基に、受かる職務経歴書の書き方のコツを解説します。
私が実際に使用した自己PRも併せて公開しています!
是非参考にして下さい。
まずは自己PRを作成する準備
自己PRはあなたの「得意分野」、「企業にどのように貢献できるか」をアピールする項目です。あなたを採用することで、企業側がどの様なメリットがあるかを示せるように心がけましょう。
そうは言われても、自己PRを作るのは中々難しいのが現実です。そこで、まずはあなたがこれまで「どの様な経験・強みがあるか」を整理しましょう。
そして、その「あなたの経験・強み」と「応募したい企業」に共通点があるかを考えましょう。最初に「キャリアの棚卸し+共通点」を見つけることが大切です。
特に研究職の場合、類似した分野の研究を経験していれば転職に非常に有利です!
そこに、更に魅力的な自己PRが加われば内定率も大幅アップです。
転職先の業界や、企業を知るには転職エージェントへの登録が一番手っ取り早いです。登録すればあなたにおすすめの応募を紹介してくれます。以下の記事では私が実際に転職活動で使用して「本当によかった」と感じた転職エージェントをまとめています。是非参考にしてください。
自己PRを書く上での基本的なポイント
自己PRを書く上で重要なのは、自身の経験・強み・スキルを理解した上で簡潔にまとめることです。
以下の基本的なポイントを抑えて、自己PRを書くようにしましょう。
分かりやすさが大事です!
たくさん経験しているからと言って詰め込み過ぎはNGですので注意してください。
職務経歴書に決められたフォーマットはありません。そのため、自己PRを書く際にも、箇条書きや「」などを使用しても問題はありません。大事なことを「わかりやすく」、「簡潔に」伝えられることが重要です。以下の記事では、私が実際に使用した職務経歴書を載せていますので、是非参考にしてください。
シンプルで読みやすい文章
文章は長くなりすぎないように注意しましょう。
上記した通り、読み手に分かりやすければ箇条書きなどを使用しても大丈夫です。
分かりやすいキーワード
興味を惹けるような経験・知識・能力を意識して簡潔に。
伝わり難いような専門用語はシンプルな言葉に置き換え可能か心がけましょう。
数字を使って具体的にする
仕事の実績を表すのに分かりやすいのが数字です。
例えば「開発した製品の売り上げが好調」よりも「開発した製品が年間10,000万円の売り上げ」の方が具体性があり、文章の説得力も増しますよね。
具体的なエピソード
あなたの成果や、あなたが困難などに対し「どの様に考え」「どの様に乗り越えた」かを伝えるには、具体的なエピソードが欠かせません。
具体的なエピソードを交えることで、自己PRの説得力が増すのと同時に、あなたの人間性も伝わります。
企業が求める人材とマッチしているか
いくら魅力的なエピソードやスキルを持っていても、企業が求める人物像と離れていては意味がありません。
希望する企業や、分野に求められる能力をしっかり理解した上で、あなたの強みやスキルをPRしましょう。
受かる自己PRを書くコツ
基本的なポイントを理解した上で、いよいよ実際に自己PRを作っていきます。
「協調性」、「責任感」、「行動力」、「計画性」など人によって強みは様々だと思います。
あなたの強みを軸に、以下の様な内容も併せて盛り込むことができれば、自己PRの魅力が更に上がるはずです。
主体性・行動力
不具合などに対して、あなたがどのように考え、どのように乗り越えたか。自主的な提案や行動した内容を書けると企業側からの印象も良くなります。
コミュニケーション能力・チームワーク
研究職においてチームワークは非常に重要です。1つの製品を開発するにも、営業や生産などとの連携が欠かせないためです。
他部署や社外と連携して開発を進めたなどの経験が書ければ印象アップです。
マネジメント能力・リーダーシップ
転職する年齢にもよりますが、企業側は最終的には管理職の様な、マネジメントをする立場の人材になって欲しいと考えています。
後輩の育成経験や、プロジェクトリーダーの経験などが書ければ印象アップです。既に管理職であれば、その経験を書きましょう。
筆者の自己PRを公開
私が実際に使用した自己PRを公開します。
私は、「困難な状況の中でも粘り強く努力して解決に導くこと」≒「忍耐力・行動力」が自身のアピールポイントだと考えました。このアピールポイントを軸に、「主体的な行動」、「コミュニケーション能力」も盛り込んで。合計3つの自己PRを作りました。
私の場合は営業から研究開発への転職という少し特殊なパターンですが、自己PRを作る上での基本的な考えは一緒なはずです。
それぞれ解説も交えていますので、是非参考にしてください。
自己PR①
■導電性樹脂素材の開発・設計
「どんな困難な状況でも諦めずに努力し行動します」
精密機器、電子部品の需要が高まる近年、導電性樹脂素材は今後大きな需要が見込まれます。抵抗値の調整が難しく、一度流れてしまっていた開発テーマでしたが、自身がメインとなり、製品の企画から試作評価までを担いました。セミナーへ参加し、講師への相談を通して添加材料を選定。1週間以上泊り込みで工場での試作を行い、材料設計を行いました。開発における粘り強い取り組みを評価され、配属1年目にして全社対象の成果報告会で発表をし、表彰されました。
私は営業経験が長く、研究開発に属した期間の方が短いくらいでした。少ない成果の中から、エピソードを絞り出すのに苦労したことを覚えています。社内では難しいテーマだったことを説明した上で、全体を通して、粘り強い取り組みにより達成したことをPRしています。
・タイトルを「」で書くことで、何を伝えたいのかを明確にしています
(ここは以下の自己PRも同じです)
・自主的に企画から試作評価までを実施、社外へのアプローチまでしたことをPRしています
(主体性・行動力)
・「配属1年目」、「成果報告会で表彰」など具体的な数字・成果を入れることで、説得力を持たせています。
自己PR②
■技術の知識を武器にした営業戦略
「苦手意識を克服し、長所を活かした戦略」
部門長から推薦される形で営業配属となりましたが、職種の違いから勝手がわからず当初は非常に苦心しました。そこで、技術で培った知識を軸にした戦法に切換え、ユーザー設計担当者への営業を積極化。材料選定から、CAE解析を駆使したアプローチにより営業1年目にして大手○○メーカーへ20,000千円以上の新規スペックインを達成。現在では部所内でも一番売上が大きい、○○地域全てを任されるまでに至りました。今年は新規として年間売上の◯○%に該当する100,000千円以上の開発案件を任されています。
営業実績の方が、数字で表しやすくアピールはしやすかったです。ただ、それではただの営業ができる人になってしまいます。私は研究職に就くことが転職の目標だったため、ここでも技術的アプローチを駆使したことをPRしています。
・20,000千円以上、一番売り上げが大きい地域、年間売り上げの何%、100,000千円以上など、具体的な数字を入れて信憑性のある自己PRにしています。
自己PR③
■コミュニケーション
「有力商社とタッグを組み、100人規模の勉強会開催」
営業としてもう一つ注力したのが、有力商社との関係性構築でした。当初は弊社の取り扱って頂いている製品も少なく、信頼を得られていませんでした。しかし、粘り強く毎月欠かさずの売上報告会、製品勉強会を行うことで信頼を構築しました。昨年は部署で初の試みである、○○を対象とした勉強会の企画・運営を行いました。有力商社とタッグを組むことで合計92名の方に出席頂けました。非常に好評で毎年の行事とすることとなりました。
技術関係のPRが強くなってきたので、最後にコミュニケーション能力についても触れています。技術面だけでなく、営業らしい泥臭い様な仕事もしっかりやってきたことをアピールしています。そこが、主軸である粘り強い努力の部分にも繋がっています。
・関係性が乏しかった有力商社に対し、一緒に大規模な勉強会を開催できる様になった
(コミュニケーション・協調性)
・部署では初めての規模である勉強会の企画・運営を実施
(行動力・チームワーク)
・ここでももちろん100人規模、毎月など具体的な言葉を加えています。
まとめ
自己PRの作成には、まずは「キャリアの棚卸し+企業との共通点」を知ることが大事です。そして、自己PRを書く上での基本的なポイントをしっかり抑えて書く様にしましょう。
私自身は営業から研究開発への転職ということもあり、エピソードを考えることに苦労しました。しかし、現職が研究開発の人はもっとマッチしたエピソードを書けるはずです。
基本的なポイントを抑えた上で、マッチした自己PRを作れれば、転職活動はそんなに苦労しないのではないかと思います。
この記事が少しでも皆様の転職に役立てば幸いです。
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